白い猫のマーガレット、通称メイ
彼女が看板猫になっているカフェには、常連だけの裏メニューがある
その名も、「マーガレット・ソーダ」
メイの目の色に似た色のソーダに、小さなつぼみを入れるとマーガレットの花が咲く
渇いた砂漠で、そのグラスの中だけがまるで森のようだった
そのメニューをこっそりと教えてくれたのは、アルマンドールさん
シュテファンさんの誕生日の贈り物を、白い猫を挟んで相談した
【砂漠のバザール:アルマンドール】
誕生日の贈り物は、白い石がついたものにしようと決めていた
綺麗なものを商うアルマンドールさんなら、きっと何かご存じかな?って思った
年上の男性への贈り物というのも、なんとなくピンとこなかったのもたしか
白い石っていったら、装飾品ってイメージだけれど…
男の人への装飾品って、なんとなく、迷ってしまう
結局、贈り物はべつのものになった
白い石がついた…これは、出来上がってのおたのしみ
喜んでくれればいいなあと思う
出来上がるのは、今月が明ける前
わたしが届けられるかわからないから、アルマンドールさんへいざとなったらシュテファンさんに届けてもらうように言った
なんていうか、アルマンドールさんは鋭い人だ
事情があるってことは、わたしがわかりやすいって言うのもあるだろうけれど
後ろにある、怖いって思った心まで見抜かれた
商人さんは流石だと思った
動くべきと思ったら、思う存分やっておしまいなさい、って言われた
ちょっと、驚いてしまったよ
思う存分だなんて、そんな人をけしかけるようなことを言うとは思わなかった
ちょっと、おかしくなったけれど、少しほっとした
帰り道、アルマンドールさんと一緒に甘いお菓子を食べて帰る
寒い砂漠の夜に、揚げたてのお菓子の熱さと甘さは嬉しかった
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