【バザール】砂のいうこと

今日、占いをしてもらった
わたしの抱えている厄介事の、一番の難点はわたしの臆病さ
そして、打開をするものは、宝石
……臆病さはよくわかる、でも宝石は？
ジョゼさんがつけていた宝石？
それとも、シュテファンさんがくれたペンダント？
それとも、それとも、新しくなにか探すべきものがあるのかな

女性と思った占い師の方は、本当は男の人
帰り際に、シェヂャさんのほっぺたにキスをして帰っていった
びっくりしたけれど
一番びっくりしたのは、シェヂャさんみたい
だって、しばらくかきーんって硬直して、それからしばらく記憶が飛んでいたんだもん

【都のバザール：シェヂャ★占い師】

占い師のひとは、占いのほかに情報を教えてくれた
（もちろん、情報代は取られたけれど、惜しむ理由はないと思った）

一つは、バザールでの噂
ミカちゃんハウスは新しい娼館らしい
そして、直接関係があるとささやかれているわけじゃないけれど
若い、13歳とか16歳とかの女の子が行方をくらませているんだって
これは、偶然の一致？
それとも……ジョゼさんの仕業なのかな？
決めつけるのは怖いけれど、綺麗に紐で結ばれるような気がした

二つ目は、魔法が込められた宝石などを扱うお店
人の負の感情を利用するようだから、扱いには慎重にならないといけないらしい


そう、あと…
ジョゼさんから、手紙がきていた
宿のベッドの上に乗せてあった、っていうことは泊ってるところはわかってるらしい
放っておけば、いつか手の中に転がってくる、そう思ってるんだろうな

手紙には質問がかいてあった
エルフ語で、おとうさんという意味の言葉は？

………出てこなかった
空、風、花、いろんな単語は出てくるのに、「おとうさん」っていう、普段口にしている言葉がでてこない

ぞっとした
帰るべき場所と、わたしを結ぶロープを少しずつ切られている気分になる