風で干していたリボンが飛ばされた
追いかけてみたら、鳥の巣の下に引っかかっていた
困った
あの種類の鳥は、この時期ちょっと気が立っている
ヘタに手を伸ばしたら、さくさくつつかれること火を見るより明らか、みたいな
ということで、夜に取りにゆくことにした
眠っているうちにこっそりと取ってしまおう
そういう風なことがあって、夜の森で木登りをしていた
足音を立てないよう、樹の下にブーツを脱ぎ棄てていたら
なんと、人が通りかかってしまった
一応、わたしとソフィさんの名誉のために言っておくけれど
落としたブーツがソフィさんを直撃したわけではない
落としたブーツを、ソフィさんが見つけて、不思議がっていただけだ
まあ、普通不思議…だよね?
だって、夜の森を歩いていたら、女の子用のブーツがとっちらかっているんだもの
名探偵じゃなくても、事件性を疑ってしまう
ソフィさんとお話していたら、どうやら酒場はクリスマスとても忙しいということを聞いた
明日から、ソフィさんは馬車馬のように働くらしい
それならば、とソフィさんと少し早いクリスマスをすることにした
途中、深夜を挟んだから、ぎりぎり23日
だいじょぶ、だいじょぶ、ちょっとしたフライングくらいきっと許してもらえる
サンタさんとか、赤いお鼻のルドルフとかそこらへんに
(そういえば余談だけれど、この時期に角を持つトナカイはメスなんだそうだ
つまり、ルドルフって名前をしているけれど、彼女はれっきとした女の子…
サンタさんも、結構罪作りな名前を付けたものだと思う)
ごちそうのかわりに樹のうろに隠してあるくるみと干し果実、
ツリーのかわりに、木の上から見えるがぁらの街の明かりで、メリークリスマス
途中、オイフェさんがやってきて、なぜか樹の下でおパンツのお話で盛り上がる
二日酔いなのに、なかなか元気な人だ
……どうでもいいけど、出会うたびになんだか発言が斜め上にずれてゆくのはどうしてなんだろう?
元気なのはいいことだけど…
そうそう、ソフィさんは人とのかかわりが苦手で、宿に泊ってないらしい
つまり、野宿が主というか…
流石に、この時期にそれは放っておけない
そんなわけで、ソフィさんが人との関わりに慣れるまで、うちに泊まってもらうことにした
豪邸ではないけれど、それくらいのスペースはある
おとうさんは流石に驚いた顔をしていたけれど
やっぱり、見込んでいた通りに、外へ出してきなさいとは言わなかった
…言ったら、どんだけ酷い人だおとうさんって感じだけど
【エルフの森:ソフィ★オイフェ】
【ステータス】
治りかけ。