聖堂に、いつものようにお花を持って行った
そうしたら、後ろのほうで、鈴のおととごそごそしている音が聞こえた
振り返ってみたら、どうやら、外套を着たまま寝てしまった人がいて
それが、脱げなくなっていたようだった
思わず笑ってしまったのだけれど、そのひとは笑って許してくれた
エルフのナハトさん
多分、おとうさんよりも年上の、外国から来たエルフの人だった
ナハトさんは、どうやら若いころに集落を抜け出したらしい
理由は、あまり会わなかった…とかそういう感じみたいだ
おとうさんやナハトさんみたいに、集落を抜けるエルフは珍しいと思っていた
なんていうか、人間よりも変化とかを好まない種族っていう気がしていたから…
それに、ナハトさんはわたしがハーフエルフだと知っても、嫌な顔もしなかった
正直言うと、人間よりもエルフが相手にするほうが怖い
嫌い、というわけじゃない
むしろ、感覚とか意識としては人間よりエルフのほうが理解できる
ただ、それだけ近しい存在だから、嫌な顔をされたときに傷つくから
だからエルフの前だと少し緊張する
…もちろん、綺麗な顔のほうが睨んだときに怖いっていうのもあるんだけど
人間が故郷の外にでるというより
エルフが故郷を出る、というほうがたいへんな気がする
おおむね、故郷の外は人間の街だ
故郷にいれば、エルフの時のなかでいきられるのに、外へ出てしまったら人間の流れの中で生きることになる
100年も生きていられない、しわしわに老いてしまう人間
ナハトさんに、寂しくないのかって、聞いてみた
ナハトさんは、寂しいけれど、人が人として生きたことを刻みつけると言っていた
もちろん、場数を踏んだ数が違うといわれればそれまでだ
だけど、強い人だなと思った
わたしは、ちょっと想像するだけでいつも不安になる
エルフほど長生きはしなくても、人間ほど短い命ではないだろうから
……なんだろう、わたしもいつか、ナハトさんのように思うことができるのかな?
その時が来なきゃ、わかんない
帰り道はナハトさんがおくってくれた
ナハトっていう名前は、夜っていう意味らしい
空がとてもきれいな夜だった
【山頂の大聖堂:ナハト】
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