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夕方、宿屋のラクダをお借りしてオアシスを見に行く
渇いて、緑の無い砂漠でもオアシスは何となくほっとする
緑や水があるせいか、少しだけ森に似た気配がするからかもしれない

一休みを、しようとおもったら声をかけられた
とても立派な身なりの商人さんだった
オアシスでは、ううん、砂漠ではちょっと見ないような物語のティーパーティのようなセットを広げてお茶をしていた

お名前は、ジョセ・ホフマンさん
お茶を入れていた女の子は、エポニーヌさん

アルシアさんとお約束をしたから、お茶をいただくことはできなかったけれど
お茶の席にご一緒してお話をすることにした

【砂漠のオアシス:ジョゼ★シュテファン】


わたしのことや、ジョゼさんのこと、エポニーヌさんのこと
とても他愛のないお話をしていたのだけれど
エポニーヌさんに貰った、薔薇の花飾りの匂いで周囲に花が咲き乱れる幻覚をみた
…多分、幻覚、だったのだとおもう
砂漠の夕方なのに明るくなって、周りに顔のついた花が咲き乱れた

おどろいて、怖くなって、逃げだそうとしたのだけれど
ジョゼさんは私を捕まえて、人形の印という紋様をつけた
それ以上のことは、シュテファンさんが来て止めてくれたから何もなかった

ジョゼさんは、わたしを人形にして「アリス」という名前にしたいらしい
でも、わたしの名前はウルリーカだし、「アリス」って言う名前はわたしの名前ではない
ジョゼさんがわたしにつけた、人形の印にはジョゼさんが望むときにわたしにものすごい痛みを与えることができるらしい
実際に一度痛くなったけれど、腰が折れたのかと思うくらいに痛かった

冒険者だから、怪我には慣れている
でも、実際になってみると痛みっていうのは怪我があって
さらにその怪我には、原因がある
原因がない痛みっていうのは、なんとなくいつもと違くてなんだか怖い気がした

つまり、戦って相手に斬られた痛みは理由があって、全身でそれを理解してるから我慢できる
でも、いきなり降ってわいたように与えられる痛みだけっていうのは
…なんだろう、とても気持ちが悪くて、とても怖い

ジョゼさんはそのまま去ってしまったけれど
わたしには人形の印が残った
とりあえず、今は落ち着いたから日記がかけているけれど
これから、どうすればいいだろう?
とりあえず、都へ行って情報を集めることにした

シュテファンさんが、病院へ送ってくれたうえに
青い石のついたペンダントをお守りにくれた

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