不死鳥はお留守？

コテージで、空いた場所を探すのは結構大変だ
人がいないと思っていたら、実はちょっと外出してただけとか、時々ある
とりあえず、今晩寝るところを確保するため、あちこちのコテージを伺ってみる

その中のコテージで、クロウさんという人に出会った
どうやら、冒険者らしい
ライエン君のことは、面識はないけれど名前は聞いたことがあるとか
ライエン君と出会ったら、コテージにわたしがいると伝えてくれるそうだ
そして、話している途中にわかったことだけれど、どうやらクロウさんは最近まで不死鳥を探して火山にいたらしい

クロウさんが言うには、最近不死鳥は冒険者たちの前に姿を現していないとか
以前、わたしが海にきていたときは、比較的冒険者の前に多く姿を見せると聞いていたから
ちょっとだけ、びっくりした
ライエン君の足を直すのに、不死鳥の力だけを頼りにするのではなく
神官さんの奇跡や、魔法使いに頼ることも考えていいんじゃないか、っていうことだ

神官さんの奇跡は、ヒールくらいしか縁がなかったものだから
失われた手足を復活させる奇跡があると初めてきいた
どうやら、熟達した神官さんが、それなりの儀式の準備をして行えばできるらしい

もちろん、どういう風に傷を治すかはライエン君次第
足の状況にもよるし、何か理由があって不死鳥を探しているのかもしれない
とりあえずは、まず出会ってから考えよう
凍土行きの件についても、それによってどうするか考えることになるだろうし

そういえば、クロウさんは凍土へしばらく行っていたことがあるらしい
静かで、とても綺麗なところだそうだ
雪は、音を吸い込むとおとうさんが言っていた
…とても静かな場所なんだろう
行くのが楽しみになったのと同時、海で雪山のことを想像するのがなんだか不思議だった

さて、とりあえず拠点はできて、一息ついた
コテージの近くをうろうろしてみよう

【浜辺のコテージ：クロウ】