広場をとおりかかったら、なんだかものすごおく
いまにも吐きそう…!っていう感じの人がいた
周りには他に人もいなかったし、何となく放っておくのもはばかられて
思い切って、声をかけてみた
長い黒髪のおにいさんは、サシアンさんという人で
どうやら、森で育って暮らしていたため、人の多いところは苦手らしかった
それなのに、夕方のタイムセールでにぎわう通りを歩いてきてしまったから
人酔い…っていうのかな?
気持ち悪くなってしまったみたい
わたしも人ごみはちょっと苦手
でも、気持ち悪くなるほどではないから、びっくりした
井戸でお水を汲んできたら、少し落ち着いたようで安心
サシアンさんは、お怪我をして狩りが一人では上手くできなくなったらしい
後遺症…っていうのかな?
だから、街の商人やそういったものを頼らないといけないみたいだ
何かお手伝いができるかどうか聞いてみたら、「おもしろい子」って言われてしまった
……そっかな?
色々お話をしたけれど
サシアンさんも、わたしも、結構臆病な性質なんだなとわかった
わたしは、たとえば人に嫌な顔をされないようにがんばって振舞ってしまったり
そういった風に、悲しいことに出会わないようにして逃げているけれど
サシアンさんは、人に嫌な顔をされてもそれが悲しいことじゃないって
…なんていえば良いのかな?
心の痛いのを、見ないことにして平気だって、無かったことにしてしまう形で逃げているみたいだ
もちろん、どちらがいい悪いなんてないのだろうけど
ちょっと考えさせられてしまう気がした
【繁華街の噴水広場:サシアン】
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