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種族っていうのは、人によってはあまりモノを判別する基準にはならない。
でも、わたしはあまりそうじゃない。
差別的だ、といわれてしまえばそうなるんだけれども。
でも、エルフにはエルフ、人間には人間、ドワーフならドワーフの特性とか特徴とかはあるんだと思う。

個人として付き合うぶんには、あまり意識をしないけれど。
でも、それを意識しないでいられるのは、がぁらが寛容な気質であるからというのに起因している。
………まあ、何が言いたいかと言うと。
今日、初めて人間にハーフエルフだからという事で嫌な顔をされた。


【繁華街の噴水広場:ブラッド★ハレ★ゴーディ】



お医者さんから、今日から歩く練習をしていいといわれた。
すごく嬉しい。病院で、軽くリハビリをしたけれど、次の日が待ちきれなくて広場でこっそり練習をしていた。
歩ける距離は、まだ短いし。少し動くだけで、息があがってしまう。
でも、自分の足で歩けるのは嬉しい。
半面で、自分の足が歩くことをけっこう忘れてたので、ちょっとショックだった。

ベンチで休憩していたら、ブラッドさんがジュースをくれた。
どうやら、練習しているのを目撃された模様。
ブラッドさんも、手が治ったみたいだ。よかった。
それから、ダークエルフの話になった。
ダークエルフは、精霊ではなく邪神に加護を受けた邪悪な人たちだと念をおす。
大人の人だし、自分の身は守れるはずだとはおもうけれど、でも油断につけ込むのがダークエルフだ。

そうしていたら、ふわふわと浮いた椅子にのった人が来た。
それからハーフブリッドとか、豚耳とかいわれた。
浮いている椅子とか、しょっぱなの一言目とか、ちょっとだけ何かに反応するよりも前に驚いてしまった。
どうやら、その人は匂いで種族が判別できるみたいだった。
わたしは、何を考えて町にいることができるのか、というのを聞かれた。
確かに、町は人間の町。でも、森はエルフの森。…ハーフだとどちらに行くのがいいのか、よくわからない。

その人は、わたしがブラッドさんにダークエルフに付いて警戒してと言っているのを聞いてこういいたかったらしい。
わたしは、ダークエルフを種族で判断して排斥するようにと訴えるけれど、それはそのまま自分の身にも当てはまるのだ、って。
わたしが、ハーフエルフと言うだけでなにかしら言われても、文句はないのではないかと。
でも、わたしの知り合いがダークエルフに警戒しないよりは、それで構わないんじゃないかって思う。

ブラッドさんとゴーディさんは、それでもわたしの個人を知っているから、わたしの味方をしてくれた。
なんとなく、ありがたい。
でも、さっきの話の流れを考えると、少し不安だったり申し訳なくもある。


それにしても、あれですね。
冒険者達は亜人にたいする認識が緩いから、わたしもすこし甘えていたのかもしれない。
何に気をつければいいかもわからないけど、気をつけよう。

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