なんとなく、聖堂に向かう坂を登ってしまった
まあ、坂と言うよりはそう傾斜が険しいわけじゃないんだけど
だからといって、なれない車椅子には結構な難関だ
でも、どうして登ってしまったかというと
まあ、つまりのところ
……登れるかな、と登りはじめてみたら、最後まで登りたくなったというか
そんな、良くわかんない負けん気が出てみただけなのだけれど
まあ、街にもどってからまだ一度もお祈りをしていないから
ついでにお祈りをして帰ろうと思ったりもした
ついでとか、言っちゃうあたりにわたしの信心深くないところが如実かもしれない
さて、聖堂についたはいいけれど、難関が一つのこっていた
扉。
聖堂の扉は、けっこう大きくて、開けるのに時々苦労する。
そして、車椅子で扉を開けて中にはいるのって、実はけっこう大変だったりする。
ちょっとだけ、泣きたくなった。
結局、泣かなかったけれど。それは、わたしが我慢強かったっていうより、途中で助けてくれる人がいたからだ。
名前はミラさん。魔術師の人。
すっごく、が付いていいくらいに陽気な感じのエルフのひと。
以前海でであったアウルさんみたいな感じだった。
本人も、自分は変わり者で、あまりエルフと気が合わないって言っていた。
ミラさんは、聖堂にお祈りをしにきたのではなく、ステンドグラスを見にきたそうだ。
たしかに、ここのステンドグラスはとても綺麗。
今日みたいに、月が丸い日はとくにそうだ。
昼間も好きだけれど、わたしは夜の方が好き。
ミラさんと、お祈りする前に色々な話をした。
ミラさんは、昔はがぁらの魔法学院に通っていたということ。
死んだように生きるとか、そういうのはあんまり好きじゃないってこと。
でも、ミラさんが昔つきあってた人は、そういう人だったみたい。
どうして付き合ったのかは、本人も良くわかんないみたい。
恋は理屈じゃないとか、そういうこと?
そのまま、夜が更けたのでミラさんと別れて、お祈りして帰った。
帰りはくだりの坂道で、ちょっとスピードが出てこわいけど
実はちょっとだけ、楽しいと思ってしまった。
【山頂の大聖堂:ミラ】
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【ステータス】
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