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遺跡に向かおうかな、と思っていたら
少し遠くに、焚き火の煙が見えた
誰かいるんだろうか?そう思ってそちらに近づき、様子を伺ったら…

…なぜか、お茶の袋が飛んできた
アールグレイでした
虎のあのかたではなく

お茶を投げたのは、ライエン君だった
とりあえず、ついうっかり投げちゃったっぽい感じだった


ライエン君は、風邪…ではなく病気をしているらしかった
普通の病気…というには、罠に居たネズミにかまれて出た熱…らしい
街の人に移さないため、病院へは行ってないっていうけれど
病気にかかっているライエン君が、それで平気だとは思わない

幸い、微熱が続く程度で、そう大したことはない…らしいけど
でも、やっぱり病って先が見えない分、ちょっと怖いよね

二人でお茶を飲みながら、どうしてそんな罠があったんだろうという話を少しした
罠というには、不思議な点がいくつかある
・罠の結果が、ネズミが出てきて噛み付き、人に病を移すというものだった
・人をどうこうするには、病が微熱だけという弱い(?)ものだった
・何をしたいのかがわかんない

とりあえず、上の3点を考えたけっか
罠職人がただ思いついて作ってみたかっただけなんじゃないかな?という結論になった
盗掘防止…にしては、ちょっと意味がないよね

それから、冒険についての話をした
今度、わたしは凍土に向かおうと思っている
目的は、すこしだけ噂にきいた白い龍
どうやら、凍土の山にいるらしいから……一度、見てみたいと思う

そういえば、冒険者になってもうすぐ一年が経つ
ライエン君が、懐かしい人のことを教えてくれた
わたしが、冒険者になりたてのころ
この、日記にもかいてないくらい昔…(っていっても一年前だね)
影を取られて、困ってたときに助けてくれた仮面をつけた男の子がいた
デボネラ君っていう
わたしは、デボネラ君に一年前に言いそびれた「ありがとう」という言葉を言えた

どうして、彼に伝えられたかというと
ライエン君が伝えてくれた……っていうことにしておこうかな
とにかく、なんだかとても懐かしい名前を思い出した

……冒険者になって一年
街に出るようになって、一年
なんだか、短いような気がするけれど、とても長いような気がして不思議だ

【冒険者の野営所:ライエン】

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