もっふりした犬とワルツを

凍土から街へ帰る前に、もう一度森を見ておこうとおもった
何か、大きな理由があったわけではないけれど
やはり一番慕わしさを感じる場所は、森だったから
そんなわけで、森を歩いていたら大きな犬にじゃれつかれた

狼じゃなくてよかった
おおきな犬の名前は、ロベくん
ちなみに、本当は一号らしいけれど、その場でロベ君と名づけてしまった
だって、ねえ
ナンバリングはどうかとおもうんだ！？
ちなみに、飼い主（レンタル主？）は、アルフレッドさん
ロベ君のお名前つながりで、名前のお話を少しする

アルフレッドさんは、凍土出身のウマを一匹飼っているらしい
名前は、ウマフレッド
飼い主の名前と、ウマと、サラブレッドっていう言葉が融合している
ある意味、かなりのナイスネーミングだと思う
すくなくとも、このウマは誰の名前だっけ？なんてことはなさそうだ
あと、インパクトがあるよね、うん
ちなみに、ウマフレッドとアルフレッドさんは、いわゆるウマが会う仲みたいだ
…なんちて

あとは、ひとつお約束をした
わたしはアルフレッドさんより先に死なないこと
アルフレッドさんはきちんとおじいさんになること

微妙に、デジャヴュな約束だ
…果たされるかどうか、多分それは大事なことだけれど一番重要なことはそれじゃない
正直なところ、誰かと交わした約束が本人の意思に限らず「守れなくなる」ってことはままあることで
約束は必ず果たされるなんて、そんなことは思っていない

あれだね、大事なのは
約束をしたっていうことだ
いざというときに、約束が頭によぎって、それがこちら側に足をとどめる呼び声になるかもしれない

……と、考えてしまうのは、われながら少しひねくれているかもしれない
何よりもまずは、約束が守られることを祈っておこう
この約束が守られるなら、人間たちが老いて行くのを見守るのもいいのかもしれない
へこむ自信は、ばっちりとあるけれどね？
なんちて

【氷結の森林：アルフレッド】