冒険者の野営地：ハローウィーン

適度に見晴らしが良くて、適度に木々がある
そんな、野営をするのに良い場所を見つけたので、夜を明かすことにした
焚き火をして、近くに水が流れていたので、簡単なスープを作る
スープ…っていっても、干し肉とかで作ったもの

アンシーリーコート（悪い妖精）たちを遠ざける草を燃やして
さあ、ご飯を食べようかなって思っていたら人の声がした

振り返ったら、パグストさんが居た
上から、くりのいがが落ちてきたんだって
ちょっとびっくりしちゃった
あんまり、タイミングがよかったから

二人で、スープとパンを分けて食べながらお話をする
サバイバル料理に近いから、口に合うか心配だったけれど
とりあえず、口に入れた瞬間すごいかおをするほどはまずくなかったみたいだ
よかった…

そういえば、パグストさんの実家は、酒場兼宿屋兼ギルドみたいなんだって
つまり、冒険者がお酒を飲めて、泊まれて、仕事の斡旋も受けられるんだって
冒険者の酒場にも、時々依頼がはられているから、あんな感じなのかな？
でも、生憎なことにその実家は外国
今は、ギルドでお仕事を請けてるみたい

今、パグストさんはギルドのお仕事、ビールを造ろう！っていう依頼を請けているらしい
うーん、ビール人気だなあ
パグストさんは好物だっていうけれど…
じつは、まだいまいちわたしはあの美味しさがわかっていない
…にがーい、よね？
まだまだ、子どもってことなのかな？
うーん、パグストさんとそんなに年齢が違うって気はしないのに

それから、ハロウィンのことをお話した
この時期は、妖精や魔物のせかいとの境目が薄くなること
それから、仮装のこと
パグストさんは、狼男の仮装をしようかなって言っていた
わたしは、去年の使いまわしだけれど、魔女にしようかなあ

10月31日、今年はどんな夜になるんだろう？

【冒険者の野営地：パグスト】