コボルドっていう妖精を知っている?
知っているだけなら、多くの人が知っていると思う
遺跡とかに出てくる犬みたいな鼠みたいな魔物
あんまり強くないけれど、手先が器用らしいとか
鉱物をコバルトというものに変えてしまうから、鉱山で働く人の天敵だとか
でも、知っている=会ったことがあるというわけではなくて
小さな頃からコボルドの名前は知っていたけれど、出会ったのは今日がはじめてだった
古代の麦を探して、遺跡にもぐっていたときのこと
チェルシーさんと、パグストさん、レイズ君と出会って探索をしたとき
突然頭上から落ちてきたレイズ君にみんなでびっくりしていたら
床板が動いて、コボルドが顔をだした
レイズ君が落ちてきたのと同じくらいに、びっくりした
コボルドは、思っていたよりも鼠みたいだった
体はわたしより小さくて、鼠とトカゲが混ざったみたいな格好をしていた
人間は、あまり好きでは無い様子だったけれど
(魔物として扱われるから、当然かな)
びっくりしたことに、コボルドさんたちはわたしのことを仲間だと呼んでくれた
どうやら、おとうさんのエルフの血を妖精種族ということで近しいものだと認識してくれたみたい
実は、ちょっとだけ嬉しかった
でもなんとなく、その嬉しいと言うことを言い忘れてしまったのだけれど
それは後から、後悔することになった
コボルドさんたちは、地下から古代の麦を手に入れたらしい
そして、わたしたちはコボルドさんと麦と食べ物を交換できないかと思ったのだけれど
現れたたくさんのコボルドさんたちに食料はみんな食べられてしまった
怒った…ということはないけれど、たくさんの動物がご飯に群がるみたいで
ちょっと、すごい光景だった。あっけに取られちゃったくらい
どうやら、コボルドさんたちにはご飯が足りないんだということに気づいたわたしたちは
麦の栽培をコボルドさんたちに教えることにした
コボルドさんたちも、麦を増やそうと土に埋めたりはしたみたいなんだけれど
肝心のその土が、栄養のぜんぜんない死んでしまった土らしい
麦自体も長い間乾燥して、ドライアッドの力が深く眠ってしまっているのも芽吹きにくい問題だったのかもしれない
土の魔法使いのチェルシーさんが、土の改善ができないか取り組んで
レイズ君とパグストさんは、その土のためにわらを刻んでいた
わたしは、麦が芽吹くためにドライアッドを起こさないとと思っていたのだけれど…
……ここで、事件が起こった
どこからか、黒い蟲がたくさん現れて、レイズ君とパグストさんが刻むわらを全部食べてしまった
それは、瞬く間の出来事で、わたしたちは思わず呆然としてしまったほど
そのときは、植物を食べてしまう蟲だという認識だったのだけれど
わらに群がる黒い蟲を振り払おうとしたコボルドさんの一人が、蟲に群がられ食べられてしまった
そこから、蟲は色々な人を襲いはじめた
レイズ君や、チェルシーさん、コボルドさんたち
どうやら、火に弱いらしかったけれど、なにぶん数が多くて困惑するばかり
火を放って、脱出をしようと纏めたところで蟲たちに動きがあった
わたしを見たんだ
赤い目が、ぎょろって動いて全部の蟲がこっちを見たのはちょっと怖かった
どうやら、わたしが持っていた古代の麦を狙っているようだった
いっせいに蟲がこちらを追いかけてきた
チェルシーさんへ蟲を追い込むかこいを用意してもらって、そちらに麦を投げた
そうしてたむろした蟲に油をまいて火を放った
…けれど、蟲はわたしだけを狙ったわけではなかった
コボルドさんたちが逃げ込んだ巣穴にも入り込んでいた
わたしたちには少し小さな巣穴の中で、蟲はコボルドさんたちのお腹を食い破って、食べた麦まで集めて、持ち帰っていた
たくさんのコボルドさんが、その犠牲になっていた
幸い、少しのコボルドさんが命を取り留めたけれど、それは本当に少しだ
コボルドさんは、あの蟲は魔法使いが操っていると言っていた
………どうして、あんなことをしたんだろうか
麦がほしかったんだとは思うけれど…
正直、ああいった方法に訴えられるという感覚が、よくわからない
蟲は「貯蔵庫」と描いてある(らしいことを後で聞いた)廃墟へ逃げ込んでいった
追いかけたかったけれど、コボルドさんの手当てを放っておくわけにもいかない。
……誰だったんだろう、何だったんだろう、そういう疑問を残してその場を立ち去ることになった。
ちょっと、怒った……気がする
【古代王国の遺跡:チェルシー☆パグスト☆レイズ☆コボルド☆黒い蟲】
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