宿の談話室、暖炉の脇になんだか不思議なものがあった
例えていうのなら、みの虫
…でも、小さな小枝や葉っぱじゃなくて、毛布でぐるぐるってなっている
正しく言うなら、す巻きっていうのほうが近いのかもしれない
何だろう、って思っていたら、それが動いて声をだした
びっくりした…それは、ジゼットさんだった
どうやら、寒さにとても弱いジゼットさんは、街から疎開しにきたらしいけれど
ものすごい寒いので、毛布を四枚ぐるぐるにして完全防備だったらしい
【雪被りの村:ジゼット☆氷結の魔女】
どうやら、街はいま悪い組織が襲撃をかける!といっているらしくて
魔法を使えるジゼットさんでも危ないみたいだった
…とはいえ、ジゼットさんも、好んで戦うっていう感じでもないような気がする
でも、ジゼットさんは海には良い思い出がないらしく
結局寒いのが苦手だけれど、凍土に避難してきたらしい
そんなことをお話していたら、ドアがノックされた
やってきたのは、白いローブの女性
不思議なことに、その人がやってきたら村の家々は扉を閉めてしまった
その人は、きっと魔女とかそう呼ばれる類の人なのだろう
昔、…といっても数年前の話らしいけれど
村を山の神の怒りや、獣から護るために力を使ったら
その力を恐れた村の人に、村から出て行ってくれと言われたらしい
そして、女の人と村は、一年に一度、女の人に働き手やお酒を渡すことを約束したらしい
がぁらの街では、学院があるおかげかもしれないけれど
魔法使い、という存在にみんな慣れている
力はすごいって思うけれど、だからといって異分子だと考える人はわりと少ない
(外国から来た人とかは、驚いたり、怖がったりすることもあるみたいだけれど)
だけど、街から離れた小さな村では、そういうのは…やっぱり分からなくて怖いって思うのかもしれない
なんていうか…
当事者でもないわたしが、約束事にくちばしを突っ込むのはちょっと違うと思う
でも、この時は、ちょっとだけ怒ってしまった
怒って…何をしたかというと、まあ…今考えるとちょっと短気かもと思ったんだけれど
ドアを開けて、村に向かって「ありがとう」って言えないのはおかしいって叫んでしまった
…だって、おかしいよね?
助けてもらったら、ありがとうと言うべきだし
悪いことをしたら、ごめんなさいだと思う
村の人は、自分の子どもたちにどういう風に教えるんだろうか…
女の人を泣かせてしまった
しかも泣いたら、火傷してた
ジゼットさんの機転で、手当はできたけれど…大丈夫だろうか?
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